デザイナーの山口絵理子です。 作っている時のインスピレーションの原点やこだわりを ご紹介いたします。
サバーイパンツと言うタイの民族衣装からインスピレーションを得ました。タイ語でサバーイとは快適、気持ちがいいと言う意味だそうで、その名の通りストレスがなく着用できるパンツを作りたいなと思いました。
私、途上国で生きてきた人生経験もあって、この民族衣装っぽいパンツにはこの上なき愛着を感じているんです。なんてったって楽ちんでウエストの紐を結ぶ瞬間が好きです。
ただ、そのままのシルエットだと、なかなか私たちの日常生活に馴染みにくく、コーディネイトもしにくいので、都会で着られるパンツを作ろう!と思いました。
そのために、裾に太めの折り返しを作り、股より下のラインにおいてはストレートな状態を作っていて、そうしたディテールで民族性と現代性のミックス感覚を着るひとに与えるユニセックスパンツなのです。
男女誰でも着用できるシルエットとサイズ。
このパンツはフリーサイズです。男性でも女性でも着用いただけます。
最初は自分が裁断したものを、自分で試着しながら開発していくプロセスなのですが、最初に見せたスタッフの中に男性がいて「え、履いてみたい」と言ったので「どうぞ・・・。」と。そしたらなんと、「私より似合うかも・・・」と悔しくなったのです。
なんとなく、男性のカジュアルでイージーなパンツってジャージーが多くないですか?
そこに天然素材で、しかも白黒のクラシック生地を持ってくるというおしゃれ感が、女性よりも男性により魅力を与えるのかもしれないな・・・と内心思いました。
ちなみに、男女ともにおすすめは、トップスに綺麗めのシャツをあえて持ってくるスタイルです。
腰と裾に切り替えと切り返し。
実はこのパンツにはお尻の部分に切り替えがあるんです。
機能を果たしているわけではないのですが、ストンと同じ生地がつながっているよりもやや、構築的な香りがするため、そうしました。
そして、注目いただきたいのが裾の切り返し。この幅については結構悩みました。
細いと、股のボリュームに負けてしまい、なんだか情けなく感じました。そして勇気を持って切り返し部分を幅広(12cm)にして、更に生地の先端を切りっぱなしに仕上げています。
ウエストのゴムと紐の関係性
私が着慣れている民族衣装にはゴムは大体入っていなくて、細い紐でぎゅぎゅっと結ぶだけの構造がほとんどでした。なので、最初はそれでいこうと思っていたんですが、パタンナーの後藤が「でも紐が解けてしまったら、もうストンって落ちちゃいますよ!危ないです!」って必死な形相で私に訴えたんです笑。
「え、そんな人いる・・・?」「い、い、いるかどうかわかりませんが、着る人の心理を考えてくださいよ!先生みたいに民族衣装に慣れている人なんていないんですから!ゴムも一緒に入れましょう。安心じゃないですか」「うん、まあ・・ね。」と言うことで、紐&ゴムの丁寧なスペックになった、と言うのが結末です笑。
毎回、こんな風に後藤とは着る人の気持ちと、作り手の気持ちをぶつけ合って、笑い合って、達成感を共有して、インドのみんなにバトンタッチして・・・。そうして作り上げているんです。
Yuragi Relax Pants Oxford Khadi
ユラギ リラックス パンツ オックスフォード カディ
¥29,700(税込)
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