デザイナーの山口絵理子です。 作っている時のインスピレーションの原点やこだわりを ご紹介いたします。
ERIKO YAMAGUCHI初回シーズンのバッグの名前はKinoko。
マザーハウスのバッグを16年ずっと作ってきたので、「一体どんなバッグを作るんだ?!」って社内的にはすごく盛り上がっていたのですが、「きのこみたいなバッグを作ったよ!」と言ったらみんな拍子抜けして、私は大笑いしました。
なんの機能性も付与されていない、純粋にきのこのように美しい有機的なフォルムを作りました。
私はデザインにおいて、「有機的」であることをとても大事にしています。
生きている人間の生活の中で身にまとうものだから、服やバッグも、「生きているように」命を宿したいと思っている。
だから、どこかいつも曲線を用いたり、天然素材にこだわっているのです。
でも、きのこほど有機的なものは初めて。どこにも直線が存在しないのです。
それなのに、モードに持てるものであることが、自分の中ではある意味達成感があるくらい嬉しいことです。
Kinokoができるまで
最初の構想は、実は持ち手の付け根から始まりました。
この持ち手って本体に少し埋もれているような感覚がしませんか?
それは、持ち手の「付け根の外周」にちょっと秘密の仕掛けをして、ボリュームがボコって出るように、そんな技術を用いています。
なので、盛り上がった部分と埋まっている部分の差が非常に立体感のある表現になっています。
ジッパーが見えない有機的なバッグ
こだわりその2は、ジッパーが見えないことです。「モードに持ちたい」と私は思っていたので、持った時に「黒い有機的な面白い物体」でありたいなって思っていて・・・。
だから、「ジッパーなんて見えたらダメだ!」と強く思いました。
そこで考えたのが、一度谷を作って、中にジッパーをくっつけるこの技法!
持ち手だけでも非常に複雑なのに、このジッパー構造によって、更に開発は大変になりました。笑
最後に出来上がったこのKinokoの形に対して、実はさまざまな革をあてがって、状態を確認していました。シボがある柔らかい革でも作ってみたんです。
そうすると、なんとなく本当にきのこっぽくなったのですが、「全然おしゃれじゃない」って一瞬にして思いました。
私は形状が有機的なら、素材はクールに振るべきだって思うんです。
そこで「光沢のある黒」を選びました。適切な厚みがある革で、持ち手のボリューム感も表現できる牛革で本当に美しいボストンバッグが出来上がりました。
手持ちでも斜めがけでもお楽しみください!
Kinoko Bag
キノコ バッグ
¥45,100(税込)
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